異世界の放浪者

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異世界の放浪者

1 午後10時40分。 君はパジャマに着替えると、2階の寝室に向かった。 暖かい毛布に頭までもぐり込み、右腕だけ伸ばして目覚まし時計をセットする。 今日は特に疲れたようだ。 君はすぐに眠りに落ちていった。 「ジリリリリ……」 まだそれ程眠っていないようなのに目覚まし時計がなった気がした。 どうもセットする時間を間違えたらしい。 目覚まし時計を止めるために手を伸ばす。 その手は空を掴んだ。 ベッドの下にでも転がったのかと思い、寝ぼけ眼をこすりながら上体を起こす。 「……」 君は目を見張る。 殺風景で何もない小さな部屋にいたからだ。 天井は低く、床一面には魔法陣のような円形の模様があり、その中心に横たわっていたのだ! しかも、眠る前にパジャマを着ていたはずなのに、真っ白いTシャツと青いジーパンという格好になっていて、さらにはスニーカーを履いているではないか! 辺りを見回すと、右の方に奇妙な形の扉があり、少し開いている。 →12へ
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