山神峠を越えて

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麓章高校の校門はかなり大きく、「ペンキ塗り立て」の看板が貼ってある。 真っ白の門に、学校のシンボルマークがやたら目立って見えた。 「でか…。」  「多分初代校長が見栄っ張りだったんじゃね?」 勇気のリアクションにも、零は冷静に答える。 「そーかもな、ハハ。」 勇気が笑った。 「冗談だよ。本気にすんなよ?」 零が真面目な顔をして言った。 「んなことわかってるわ。いちいち言わなくていいだろ。」 勇気が笑いながら言った。 「いや、一応言っとかないと、お前は他人に言い触らしかねないからな。」 「おいおい、俺を信用してねぇのか?」 「してない。」 零がわざとはっきりと言った。 「うう…マジかよ…」 勇気が大げさに泣くふりをする。 「ハハ。それも冗談だっつーの。よっしゃ、行こうか。時間ないし、ここにいつまでもいたら、不審者扱いされるぜ?」 「冗談ならいいけどよ。まあ、いきなりトラブルはゴメンだからな。いくか。」 カバンをもう一度背負い直し、2人は学校の中へと入っていった。
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