FILE:1

2/2
前へ
/195ページ
次へ
春、門出の4月。 麗らかな春の日差し。 天候は晴れ、絶好の学校日和。 男子高校生である俺、藤原和樹(フジワラカズキ)は今日から第2学年となり、 新しいクラスで輝かしい新生活をスタートさせるはずだった。 そう、はずだった。 「和樹くぅーん!待ってーー!」 後ろから黄色い声が聞こえる。 が、その声はあまりにも恐ろしかった。 「私みたいな美少女が追いかけてるのになんで待ってくれないのぉー!?」 「タマとチンぶら下げた美少女なんてこの次元にいるわけねーだろーー!!」 そう、彼女は正真正銘の男だったからだ。 「待ってぇーー!!」 「待つかーー!!」 今日も俺の住む街で特定の人のみにお送りする逃走劇が始まった。
/195ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1254人が本棚に入れています
本棚に追加