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ヨハネ・イオアンは神を信じてなど居なかった。
『教会』に属する身でありながらその心には深い闇が立ち込め、猜疑と欺瞞を以てしか自分を表すことが出来ないでいた。
それもまた何一つ不自由無い、自分らしさなのだろうが。
「ヨハネ! ヨハネはおるか!」
「どうなされた、司祭よ」
とある教会に二つの人影。
片方は壮年の聖職者。
もう片方は流れるような銀髪と、それに合わせた明るいスーツが場に似合わない不穏さを醸している男性――ヨハネ・イオアンだ。
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