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「ハハ、まさか」
今年の一年生のクラスは今の学院の中で一番人数が多い。
その中でも僕が受け持つクラスは20人弱。
当たる確率は低いだろう。
そうこうしている内に教室に到着した。
「コーティ。授業が終わるまで静かに大人しくしててよ」
「私はいつだって大人しいぞ」
よく言うよ。僕をバカにした生徒を殴ろうとしたくせに。
「じゃ、いくよ」
ガラッ
「皆、おはよう」
「おはようございます」
教室に入ると、既に生徒の皆は揃っていて、挨拶を返してきた。
「皆早いね。僕がドベだ。先生なのに申し訳ない」
頭をかいて苦笑いすると、皆気にしてないと目で伝えてくれた。
「さて、今日は53ページから。始祖精霊のところからだね」
教壇に立って授業を始めると、コーティは後ろの席で居眠りを決めこんでいた。
その光景に微笑ましさを感じながらも、授業を進める。
「始祖精霊とは、始まりの精霊とされ-」
教科書の一節を読みながら、黒板に要点を書き込んでいく。
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