第1楽章~始まりの出会い~

2/27
103人が本棚に入れています
本棚に追加
/160ページ
神曲楽士 肉体を持たない精神生命体・精霊。その精霊と神曲と呼ばれる音楽を用いることで意思を通わせ、彼らの力を使役することのできる特殊技能者。 絶対数が少なく、また、名誉ある職業であるため、神曲楽士を目指す人は少なくない。 僕、タタラ・フォロンもその1人だった。 かつて孤児院の屋根の上で出会った紅の精霊。 彼女の美しさにあの日、僕は魅了された。 努力のかいあって、僕は神曲楽士になることが出来た。 周りに支えられ、憧れだった精霊に認められ、世界の危機を救ったりもして、今は学院時代の先輩、ツゲ・ユフィンリーの開くツゲ神曲楽士派遣事務所に所属している。 「なあ、フォロン。聞いたか?」 事務所で書類仕事を片付けていると、隣の机からレンバルトが声をかけてきた。
/160ページ

最初のコメントを投稿しよう!