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まあ、理由は他にもあるでしょうね、と付け加えてユフィンリーは自分の仕事に戻る。
「フォロン先輩、そろそろ時間じゃないですか?」
ペルセルテが時計を見て声をかけてきた。
「あっ、もうこんな時間か。所長、出てきます」
「了解、しっかりね」
ユフィンリーに頷いて返し、僕は裏口。駐車場に続く扉に向かう。
「コーティ、行くよー」
「分かっている」
コーティカルテも僕のすぐ後ろについてくる。
通路を抜け、裏口の扉を開くと、駐車場には一台の大型二輪が止められていた。
ハーメルン
大型二輪に単身楽団を組み込んだ可変型の単身楽団だ。ユフィンリーが特注でヤマガに作らせたものを今はフォロンが使っていた。
ヘルメットを被り、ハーメルンに跨がる。エンジン始動。
大型二輪独特の重低音のエンジン音が駐車場に鳴り響く。
「準備はいい?」
後ろに飛び乗ったコーティに聞く。
「無論だ」
彼女の答えを受けてハーメルンのクラッチを操作してギアをローへ。
ハーメルンはゆっくりと動き、駐車場を出て公道へと走り出した。
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