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「食べてもいいよ」
苦笑しながらお弁当箱を差し出すと、いすごとこっちに寄ってきて「ヤッタ!」とたまごやきやミートボールに手をのばした
「うん!うまい!!ますます秋山がうらやましいよ」
「そんなほめられる程たいしたお弁当じゃないけどね」
「なんで?めちゃくちゃうまいよ?秋山も絶賛だろ?」
「いや、アイツはそういうこと言わないから・・・」
「マジ??冷たいねえ・・・」
遠慮という言葉を知りませんって感じで無邪気にまたおかずに手をのばして、ついにはおにぎりまでぱくっと食べられてしまった
「ほんと、うまい」
・・・・悪い気はしないな
直也はあんまり言ってくれないし、ちょっと新鮮
思わず笑ってしまった
「もう全部食べていいよ」
「あ、そう言ってくれるの待ってた」
とあっさりお弁当箱ごと奪われる
その代わりにパンを差し出された
「じゃ、遠慮なく」とアタシもパンに手をつける
あっという間に全部食べた寺野は満足そう
「どうせ秋山に毎日作るんだったら、俺にも毎日作ってほしいかも」
「え?」
「って言いたくなるくらいうまかった」
「ああ・・・ありがと」
催促されてるのかと思って一瞬ドキンと胸が鳴った
寺野がアタシを見て微笑んで、学年の女子たちが熱をあげるその笑顔に意に反して目を奪われてしまう
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