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小学校入学
ここあたりから私の記憶を交えてお話致しましょう
保育園を卒業し、私は小学校へ入学しました
保育園の卒園式、小学校の入学式共に母は鬘(カツラ)を被って出席してくれました
体の調子が悪いのに出席してくれた事がとても嬉しかった…
小学校に入学してすぐに友達がたくさん出来ました
私は毎日、母に学校であった出来事や「授業でこんな事をしたよ」という話をしました
そういう話をすると、母は必ず微笑んで、頭を撫でてくれました
その時の母の微笑みはまだ私の瞼の裏に貼りついています
しかし
母の病状は悪化する一方でした
1ヶ月に何度か入退院を繰り返しました
検査によると、ガンが脳に転移していたみたいです
母は綺麗な髪の毛を全て剃りました
今思うと、相当な覚悟だったと思います
髪の毛が無くなった母の姿を見て、涙が出そうになりました
病室でも布製のキャップを被ったままでした
髪の毛を剃ってから二週間後
母は手術を受けました
結果は成功
その時父と兄は病院にいたので
私は友達の家に預けられていました
友達のお母さんから
「やったねユキちゃん!ママ、手術成功したって!」
電話の子機を右手に持ちながら満面の笑みで報告してくる友達のお母さん(ここでは「あんま」と呼ばせていただきます)
あんまは韓国人で喜ぶと無意識に韓国語を話してしまうみたいで
電話の父に韓国語で話していました(笑)
「シュウ、ママ手術成功したって!」
シュウとは私の友達の男の子のことです
私より4つ下の可愛い子でした(笑)
今は逞しくなりましたがね
シュウはまだよくわからないという顔で私を見てきました
私はシュウに抱きつきながら
「お病気、治ったんだって!」
と喜びました
この時の私は、手術をすれば
どんな病気でも治ると信じていました
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