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私は亜利寿。
逃げる場所を失い彷徨う亜利寿。
成長を禁じられど、囚われたわけでなく…
自由を欲すれば束縛され、私の心は壊れました。
それ故、語る言葉も見つからず、独り森の中、謳っていました。
眠る夜は水の中。
せせらぐ水の音子守唄。
目覚める朝は森の中。
小鳥の囀り始まりの音。
"亜利寿"
誰かの呼ぶ声がする。
小鳥の囀りではない。
救いを求めようと縋ればその声は消えてしまう…
やはり、逃げ場がない。
一生少女のまま独り朽ちていく…
誰にも気付かれることなく…
独りで…
end.
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