1人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
地下に幽閉された王女
食事以外は軟禁状態で、他人と接触は禁じられていた。
王女は 心を閉ざし、誰にも口を聞かなくなり暴れまくるという毎日だった。
そんなある日、王女は夢をみた。
白いフワフワした不思議な空間
そこに自分によく似た女の子が、ぬいぐるみで遊んでいた。
惑星イオには 子供はめったにうまれない。
王女は 自分以外の子供を生まれて初めてみた。
じっと見ていたら、ふぃにその女の子がこちらを向いた。
『ねぇ、いっしょに遊ぼうよ』
(え、オレにいってんのか?)
『そぅ、あなた。私はミコト、あなたは?』
(!オレ、しゃべってないぞ?なんでわかるんだ?)
『クスクス…あなた…わからないんだ?私は貴方の、…』その女の子の体がグニャリと揺れた。
(あ!おぃ!ちょっと待って!)
消えかける女の子に近寄る。
『もう 時間が来たみたい。あなたに会いたかったの。元気でよかった。これ、あげる』
消えかける女の子は、王女にぬいぐるみを渡した。
『きっと、また会えるから…』
そういってフッと女の子は消えた。
(待て!)ガバッと王女は飛び起きた。
夢だったはずなのに、手にはぬいぐるみがあった。
(ミコト…オレと同じ顔?オレには姉妹がいるのか?)
同じ顔なのに、ずいぶん雰囲気が違ったが、王女はまたミコトに会いたいと思っていた。
最初のコメントを投稿しよう!