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「ん~、割合はこれぐらいかのぅ…」
真っ白い高貴な衣装をきた白髪白髭の老人は、不思議なニ㍍はある球体を前に思案していた。
彼は、すべての宇宙を統べる神。
彼が直々にこの球体を触るのは、実に久しぶりのことだった。で、少々手順にてこずっていた。
この球体は、ある特殊な惑星に久しぶりのオメデタをもたらすもの。
割合を間違えると大変なことになる。
感情や感覚、知識、など人格形成に必要なものの割合を決めているのだ。
あの特殊な惑星に新しい女王を誕生させなければいけない。
現女王も引退が近い。
「さて、いい具合にできたかの」と、神は球体を持ち小さく小さく指輪サイズに圧縮した。
「では、これを女王のお腹に宿す手配を…」と歩こうとした瞬間!
ツルッ
「のわっ!」手から球体が離れた。
カシャン!パリッ!
「!!まずい!!」
かなり圧縮したはずの球体が割れた音がした。
「まずいのぅ…割れてしまったか…」と神はカケラを集めた。
だが形が揃わない。
一度割合を決め、圧縮してしまったらお腹に宿すまでどうにもできない。
「…ま、まぁ、あの惑星ならなんとかなるじゃろ(冷汗)」
かなりアバウトな神さまは形が揃わないまま、お腹に宿すことにした。
「…なにも起きんといいがのぅ」自分で割っておきながらそうつぶやいた。
さて、残りのカケラは…
割れた瞬間いい具合に球体になり、コロコロ転がっていた。
そして…
宇宙としては辺境の…
とある場所にワープするエリアに転がり…消えた。
それが、すべての始まり。
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