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第1章・二人の王女誕生
~惑星イオ~
神さまのいっていたある特殊な惑星である。まさか大事なものが欠けた魂とは知らず、女王は出産を始めた。
うめき声は一切あげず、するっと出産をした。実に200年ぶりの王女誕生である。
「おお!王女さまです!おめでとうございます!」
「ふむ。やはり王女か、これで安心だな。」
と医師は喜んでいる。…が産んだ女王は実に淡々として、王女を見つめなにやら待っている。
通常なら王女は 生まれてすぐに目を明けて、自分につけてもらいたい名を告げるのが通常である。
しかし…目をあけることもなく…
「ふんぎゃー!あんぎゃー!」と泣き叫ぶ。
「なんだと!王女たるものが…なぜ泣き叫ぶ。名を告げぬか!」嫌悪感を出した。
これは一大事である!
女王は すぐさま賢者たちを召集した。
すぐ会議を始めなくてはいけない。
あの泣き叫ぶ【王女】では、おそらく女王にはなれない。
すぐに次を生みたいところだが、セイさまに要請して許可がいただけるのに約200年待ったのだ…
女王と賢者たちは緊急会議を始めた。
「女王さま…、王女さまを拝見しましたが…その…あの方には…理性と知性がほとんどありません。あるのは欲や感情のみです。1番あってはならない事態です…」
「やはりそうか…腹にいるときから様子がおかしかったのだ。杞憂であってほしかったが、嫌な予感は当たってしまったな。」
「女王さま、セイさまに面会をとりつけました!すぐに魔法の間にきてください!」
「わかった!すぐにいく。」
女王は 魔法の間に入り扉を閉めた。
セイさまはすべてを仕切る神である。おいそれと会える方ではない。急に会えるということは、あの泣き叫ぶ【王女】に関係があるな…
「待たせたのぅ、女王さん」
「セイさま、お久しぶりでございます。王女の件ですね」
「うむ…実は困ったことになってのぅ… 」
「やはり…なにか手違いでも…」
「いや、王女がもうひとり生まれたらしい。しかも理性知性を完璧に備えて、いまごろ名を告げているかもしれないがのぅ…」
「な!では双子だったのですか?」
「…正確には二人に分裂してしまった…だのぅ。しかももうひとりの王女はかなりの辺境の惑星で…いまミカエルを派遣している」
「そんな…二人なんて…」
「辺境過ぎて連れて戻れるかわからんのじゃ。とりあえず、あの子を育ててくれ。また連絡するからの~」
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