第1章・二人の王女誕生

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~地球・日本のどこか~ 長い間赤ちゃんができず悩んでいた夫婦に、突然赤ちゃんができた。 夫婦はとても喜び、出産を待っていた。 「はぃ、頭が見えてますよ~もう少しです!頑張って!」 「うぅぅ~~!!」 「生まれましたよ!女の子です!おめでとうございます!」 しかし…産声がない。 「あれ?泣かないですね?おかしいなぁ。」看護婦さんが赤ちゃんを拭きながら臍の緒の始末をしている。生きているが静かだ。赤ちゃん独特の動きをしない。 すると…赤ちゃんはパチリと目を明けて、声を出した。 「わたしの名は、ミコト、でお願いします。」 次の瞬間 悲鳴が響き渡った。 「きゃあああああ!」「しゃっべった!」「目の色が変よ!この子!なんで金色なの?」「耳が尖ってる!」「悪魔?」 「うわぁああ!!」医師や看護師たちはわれさきに飛び出した。 何事か?と分娩室前にいた父親が飛び込んできた。 そして… 「なんだ、この化け物はぁぁぁ!!」 錯乱した父親はメスを持ち、生まれたばかりの赤ちゃんに振り落とした。 母親はわけがわからず、止めてぇ!と叫んだ。 カンっ、ぐさっ。 振り落としたメスはなぜか父親の肩に刺さっていた。 赤ちゃんには傷一つない。 母親は よろけながら立ち上がり、器具を外し赤ちゃんをタオルでくるみ姿を隠した。 「わたしが、わたしがあなたを守るから!」はぁはぁと産後すぐにもかかわらず、母親は町から消えた。 この様子を見ていたミカエルは、セイさまに報告するため、いったん戻ることにした。
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