第1章・二人の王女誕生

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~ミコッティの視点~ 神さまのバカヤロー!なんで【アイツ】と分けやがった! あの球体は、理性知性と本能と、別の人格形成をされていた。本来なら、一人のヒトガタとしてうまく機能するはずだったのだ。 うっかりというか、見事に真っ二つ。 ちくしょう、【アイツ】は賢いからとっさに丸くなりやがった。 オレは本能のみだから、【アイツ】がいねえと動けねえし話せねえ。意識はあるんだが… まいった。ほんとにまいった。 このまま 生まれても、歓迎されない予感がする… 案の定、女王の胎内にいるときから、あーだこーだ言われた。 ちくしょうちくしょうちくしょう、馬鹿にしやがって! だから、生まれたときにこういってやったんだ! ふざけるな!こんちくしょう! だが…他のやつらには「ふんぎゃーあんぎゃー」としか聞こえなかったらしい… 母親である女王は明らかに嫌悪感をあらわしている。 まわりも同じ。本能で感じ取れる。 疎外感。オレの存在の拒絶。 なんてこった…オレは生まれちゃいけなかったのか? ひたすら泣き叫ぶしかできなかった。 【アイツ】はどこにいったんだ! オレの半身!二人で一つなのに! 【アイツ】を探してくれ!手遅れになる前に! …でも、オレの叫びは誰にも届かなかった。 そして、オレの苦難は始まる。
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