1人が本棚に入れています
本棚に追加
~第2章~王女たちの苦悩
~セイさまの執務室~
「セイさま、ただいま戻りました。」
「おお、ミカエルか。して、辺境のどの辺じゃった?」
「銀河系の地球、ですね。交流はありませんし、かなり原始的な民族といえます。生まれた瞬間、父親が王女を殺そうとしました。」
「!なんと酷い…」
「しかし、母親は見た目に惑うことなく育てるようです。ですから惑星ワープ装置をつけて、一旦報告に戻りました。」
「そうか…しかし、惑星ワープ装置をつけたのに、位置がわからんのはなぜじゃ?」
「えっ?!そんなばかな?」
ミカエルは 惑星表を見る。
「ほんとですね…反応がない…どういうことでしょう?」
しばらく、セイさまは考えていた。
「おそらく、体は地球人なのじゃろう…魂に揺さぶられ、目と耳と歯だけ、変わったのかもしれんのぅ?見た目は地球人に似せたという可能性もあるが…そもそも魂は一つ、体は一つが決まりじゃ。女王の胎内にいたのが本来の王女の体じゃ。それは間違いない。」
「なっ!それでは惑星イオに連れていけないではないですか?!」
「そうなるのぅ…困ったことになった…しかし…」
「しかし?」
「あるいは…」
「もったいつけないでください!」
「可能性はゼロではないが…成功するかはわからん」
「!!なにか方法があるのですか?」
「魂そのものを交換じゃ。惑星イオの王女の魂と地球の王女の魂。地球の王女の体は動かせないが、魂という意識体なら移動できるんじゃが…。」
「惑星イオの王女…知性や知識が皆無に等しいからのぅ…魂の交換に応じられない可能性が高い。お互いが替わりたい!と通じ合わなければ、魂の交換は不可能じゃ。」
「確かにあの獣のような王女では…無理な気がしてきました。」
「とりあえず、惑星イオの王女の知識がある程度つかねば話はできないからのぅ。ミカエル、地球にいって、王女さまの記憶を封じてきてほしい。もし、惑星イオの王女が知性を身につければ、そのときに記憶を解放するとしよう。その方が地球人として暮らしやすいじゃろうからのぅ…」
「そうですね、あの母親なら話はわかりそうですから、事情を伏せて出来るだけ地球人らしく育てるようたのんでみます。」
「うむ、迷惑をかけるが頼んだぞ。」
「では、いってまいります。」
最初のコメントを投稿しよう!