~第2章~王女たちの苦悩

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~第2章~王女たちの苦悩

~セイさまの執務室~ 「セイさま、ただいま戻りました。」 「おお、ミカエルか。して、辺境のどの辺じゃった?」 「銀河系の地球、ですね。交流はありませんし、かなり原始的な民族といえます。生まれた瞬間、父親が王女を殺そうとしました。」 「!なんと酷い…」 「しかし、母親は見た目に惑うことなく育てるようです。ですから惑星ワープ装置をつけて、一旦報告に戻りました。」 「そうか…しかし、惑星ワープ装置をつけたのに、位置がわからんのはなぜじゃ?」 「えっ?!そんなばかな?」 ミカエルは 惑星表を見る。 「ほんとですね…反応がない…どういうことでしょう?」 しばらく、セイさまは考えていた。 「おそらく、体は地球人なのじゃろう…魂に揺さぶられ、目と耳と歯だけ、変わったのかもしれんのぅ?見た目は地球人に似せたという可能性もあるが…そもそも魂は一つ、体は一つが決まりじゃ。女王の胎内にいたのが本来の王女の体じゃ。それは間違いない。」 「なっ!それでは惑星イオに連れていけないではないですか?!」 「そうなるのぅ…困ったことになった…しかし…」 「しかし?」 「あるいは…」 「もったいつけないでください!」 「可能性はゼロではないが…成功するかはわからん」 「!!なにか方法があるのですか?」 「魂そのものを交換じゃ。惑星イオの王女の魂と地球の王女の魂。地球の王女の体は動かせないが、魂という意識体なら移動できるんじゃが…。」 「惑星イオの王女…知性や知識が皆無に等しいからのぅ…魂の交換に応じられない可能性が高い。お互いが替わりたい!と通じ合わなければ、魂の交換は不可能じゃ。」 「確かにあの獣のような王女では…無理な気がしてきました。」 「とりあえず、惑星イオの王女の知識がある程度つかねば話はできないからのぅ。ミカエル、地球にいって、王女さまの記憶を封じてきてほしい。もし、惑星イオの王女が知性を身につければ、そのときに記憶を解放するとしよう。その方が地球人として暮らしやすいじゃろうからのぅ…」 「そうですね、あの母親なら話はわかりそうですから、事情を伏せて出来るだけ地球人らしく育てるようたのんでみます。」 「うむ、迷惑をかけるが頼んだぞ。」 「では、いってまいります。」
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