~第2章~王女たちの苦悩

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ミカエルがセイさまの執務室とを地球をいったりきたりしている間に、地球では日にちがずいぶんたっていた。 「ミコトちゃん、はぃ、あーん」 ぱくっ。 離乳食に入り、ミコトはオスワリができるようになりハイハイもし始めていた。 「お母さん、おいもさん 甘いね。」 相変わらず、話す赤ちゃんだが母親は意に介さない。 「そうね~おいもさんは栄養たっぷりだし、たくさん食べなきゃね~はい、もうひと口っ」 ミコトは 少しずつ感情が出せるようになっていた。ほんとうに少しだが、母親にはわかるようだ。 母親は父親と離婚し、山奥に引っ越して一人でミコトを育てている。 出来るだけ人目を避けた方がいいと、ミコトが提案したからだ。 赤ちゃんなのだが、のんきな母親より賢く…常に先を読んで母親を驚かしている。 「ミコトちゃんは~なんだか【サトリ】みたいね、ふふっ」 「サトリ?」 「そ、サトリ。ひとの考えていることがわかっちゃうの。」 「…ふぅん…」 ミコトは母親の感情や考えてることなら、丸わかりなんだけどなぁと苦笑していた。 あ。この気配。 「お母さん、お外に天使さまがきてる」 「天使さま?」 「私に、首飾りをくれた天使さま。」 「?そう?」 促されて母親は玄関を開けてみた。 ちょうどドアをノックしようとしていた金髪のひととぶつかりそうになる。 「おっと、気づかれてしまいましたか。はじめまして、わたくし、ミカエルと申します。母君さまとミコトさまに、折り入ってお話があって参りました。」 「はぁ…、まぁ、どうぞおあがりください。」 ミカエルというひとは案内もしていないのに、ミコトの部屋に行った。 「ミコトさま、ご無沙汰しております。地球人から迫害など受けてはおりませんか?セイさまがとても心配しています。」 「私はほとんど外にでてないから大丈夫です。お気遣いありがとうございます。それよりも…あの子は元気にしてるかしら?」 「…実はそのことで参ったのです。あ、どうぞお母様も座ってください。」 ポカンと見ていた母親は ササッとミコトの側に座る。
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