~第2章~王女たちの苦悩

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ミカエルは口を開こうとしたが… 「私の記憶を消すか、封じにきたのですか?」 「!!!」ぎくっと目を見開くミカエル。 「…あなたが来ない間、いろいろ考えていました。私はどう見ても地球人の風貌ではないし、この地球がセイさまのおっしゃる特殊な惑星ではないことも理解しています。そして【あの子】はきっと特殊な惑星に生まれたのでしょう?」 「…生まれたのは生まれたのですが、…」言いにくそうにモゴモゴしている。 「…理性と知性がない本能だけの【あの子】がどういう状態か用意に想像できます。そして私はこの体である限り、【あの子】のいる場所にいけないことも…」 「さすが…というべきですね。そこまで理解していただいていたのなら話しは早いです。体が地球人である限り、惑星ワープはできません。一刻も早くお連れしたいのは山々なんですが…いつお迎えに来れるかわからないので、一旦記憶を封じ、地球人として暮らしていただこうかと。」 「わかりました。赤ちゃんが喋るという状態は、やはりよくないと私も思ってましたから…見た目は異形ですが、普通に暮らせるならお母さんにも迷惑をかけなくて済みます。」 「あの~?」おいてけぼりをくっていた母親が 「ミコトちゃん、普通の赤ちゃんになっちゃうのかしら?なんか残念なんだけど…?」 「「…」」 ミコトとミカエルは目が点になった。 「あはは、いや~さすがミコトさまを育ててるだけあって、度胸が素晴らしい!」ミカエルは爆笑した。 「では、普通の地球人として暮らせるよう記憶を封じさせていただきます。時がくれば、そのペンダントが紫に光ります。光るかどうかは…」 と、ミカエルはミコトのおでこに手を当て… オ記憶を封じた。 「私は、あなたの味方です。ミコトさまをよろしくお願いします。」 ミカエルはそういって すぅ~っと消えた。 「…ミコトちゃん?」 「だぅ?」 「もぅお話できないの?」 「ぅぶばぁ~キャキャキャキャ」おもちゃを持ってあどけなく笑う。 「残念だわぁ~、ま、そのうちまた話すわけだし、いっか。ね、ミコトちゃん?」 「だ~!」 前向きであまり物事を深く考えれない母親は、ミカエルのいう通り普通にひっそり暮らそうと誓っていた。
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