出逢いは月明かりの下。

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私はその瞬間、頭の中が真っ白になって何も考えられなくなった。胸はドキドキと脈打ち、顔が火照って夕焼けの灯りよりももっと真っ赤になった。 何も言えなくて、ただ頭をぶんぶんと縦に振るのがやっとだった。彼に目を合わせることすら出来なかった。 そんな私を彼は何も言わずにただぎゅっと抱きしめて、唇にそっとキスをしてくれた。彼の体の、夏の暑さとは違う心地良い温かさが私を包み込んだ。嬉しかった。気がつけば私は一筋の涙を流していた。
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