第一章 地獄からの声

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「やったか!?」 結合崩壊を確認したジョナサンはアラガミの様子を伺う。あれで倒せるとは思ってないが手応えはあったはずだ。 …だがアラガミは怯む事無く拳をジョナサンに向けて振り下ろして来た。 「んなっ!?」 普通のアラガミなら結合崩壊した場合、暫く怯んだ後に怒りで活性化するはずだが、現にこのアラガミはその様な素振りを見せる事無く活動している。 空中でシールドを展開しようとしたが間に合わず、攻撃をもろに当たってしまう。 (バックラーに…変えて来れば良かったな…) そう思いながらジョナサンは地面に叩きつけられた。 「がぁっ…!」 二回程バウンドした衝撃で一瞬だけ記憶が飛んだ。 アラガミは動かなくなったジョナサンを見て首を傾げた。 ドウシタ?モウ終ワリカ? 「ぐ…うぅ…!手が…手が上がらねぇ…」 デハ…ココデ死ヌノカ? 「……うるせぇ」 空中に浮いていたアラガミが地面に降り立った。こうして見ると、旧日本国の奈良の大仏の様だ。 ガネーシャノ怒リ、思イ知ッタカ? 「うるせぇ……うるせぇ…」 ジョナサンは必死に腕を動かして神機を掴もうとしたがその腕をアラガミが指で押さえて遊び始めた。アラガミからしたら軽く押さえたつもりだがジョナサンからしたら骨が折れる様な痛みだ。 「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 追憶の教会にジョナサンの叫び声が響いた。
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