第一章 地獄からの声

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サヨナラダ小僧。地獄ノ底デ、マタ会オウ… アラガミは四本の手を合わせて5つの火球を作り出した。死ぬならせめて何も残らないように死にたい。そうジョナサンは思った。 (エリック先輩、俺もすぐに行きます…) ジョナサンは目を閉じ、その時を待った。左手にはオウガテイルのコアが固く握られていた。 (みんなにお別れしてから死にたかったなぁ…) 火球は両端から飛び出し、ジョナサンがいた場所を激しく燃やした。 それは哀しみと憤怒の炎だった。 オ前モ神ニ近付キ過ギテ翼ヲ取ラレタ者ダッタカ。 アラガミはふわりと空中に浮かぶとその場から姿を消した。 〔ヒバリです!第一部隊リーダー、聞こえますか!?応答してください!第一部隊リーダー!〕 無線機からオペレーターのヒバリが必死に呼びかけている。 暫くジョナサンを呼んでいたヒバリは誰かに無線機を奪われた。 〔ジョナサン!ツバキだ。直ちにアナグラに戻れ!これは命令だ!戻らなかったら配給は無しだ!わかったな!?〕 しかしジョナサンの返事が無い。聞こえるのは激しいノイズだけ。 〔くそっ…!ヒバリ、防衛班を今すぐに向かわせろ!新しく入って来た新型がいるだろう!名前は――… シナド… 渋谷シナドだ!〕
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