47人が本棚に入れています
本棚に追加
サヨナラダ小僧。地獄ノ底デ、マタ会オウ…
アラガミは四本の手を合わせて5つの火球を作り出した。死ぬならせめて何も残らないように死にたい。そうジョナサンは思った。
(エリック先輩、俺もすぐに行きます…)
ジョナサンは目を閉じ、その時を待った。左手にはオウガテイルのコアが固く握られていた。
(みんなにお別れしてから死にたかったなぁ…)
火球は両端から飛び出し、ジョナサンがいた場所を激しく燃やした。
それは哀しみと憤怒の炎だった。
オ前モ神ニ近付キ過ギテ翼ヲ取ラレタ者ダッタカ。
アラガミはふわりと空中に浮かぶとその場から姿を消した。
〔ヒバリです!第一部隊リーダー、聞こえますか!?応答してください!第一部隊リーダー!〕
無線機からオペレーターのヒバリが必死に呼びかけている。
暫くジョナサンを呼んでいたヒバリは誰かに無線機を奪われた。
〔ジョナサン!ツバキだ。直ちにアナグラに戻れ!これは命令だ!戻らなかったら配給は無しだ!わかったな!?〕
しかしジョナサンの返事が無い。聞こえるのは激しいノイズだけ。
〔くそっ…!ヒバリ、防衛班を今すぐに向かわせろ!新しく入って来た新型がいるだろう!名前は――…
シナド…
渋谷シナドだ!〕
最初のコメントを投稿しよう!