第二章 北米からの転属

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ラボラトリ 病室 任務中に負傷した神機使いの治療をする部屋だ。病室には沢山のベッドが並んでおり、患者はそこで寝る事になる。病院食は出ず、エレベーター付近にある自販機で買うしかない。 現在、病室は「関係者以外立ち入り禁止」の貼り紙が貼られている。この場合の“関係者”とはツバキ、医療班達の事だ。それ以外の者は面会が出来ない。 「――どうして…どうして私達のリーダーはいつも無茶ばかりするんですか!?」 自販機の前でアリサが怒鳴る。誰かに怒鳴っているのでは無く、彼女は何も出来ない自分に怒鳴っていた。 「無事…だよな?ジョナサンは生きてるよな?」 コウタがL字型ソファーに腰かけながら言った。 「当たり前ですっ!リーダーはあんな事じゃ死にません!」 口ではそう言っているが頭は最悪の事態を想定してしまう。アリサは頭を振った。 「ジョナサン…死なないでくれよぉ。お前が死んじまったら俺…」 コウタは目に涙を浮かべる。 「え、縁起でも無い事言わないでくださいっ!」 チーン! エレベーターが到着し2人の人影が出てきた。1人はツバキだ。ジョナサンの容態を見に来たのだろう。 「ツバキさん!私達もリーダーに会わせてください!」 「お願いします!ツバキさん!」 だがツバキは首を横に振った。 「駄目だ。関係者以外は立ち入り禁止だ。貼り紙が読めんのか?」 「でも…私達は…」
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