1898人が本棚に入れています
本棚に追加
書き込まれた最後の言葉を読みながら、なんだか恥ずかしくなった。
顔が熱いからきっと真っ赤だろう。
そんな表情のまま桜さんを見ると、腕を組みながら満面の笑みをしていた。
「赤ちゃんが産まれたら今よりもっと奏君が必要になるんだからね。頼んだぞ?パーパ♪」
「~~~~~・・・っ頑張りますっ・・・」
「やだ、なんで泣きそうなの。」
「桜さんが・・あまりにも可愛くて・・・」
「ちょっ!そんなんで泣かないでよ!」
頑張ろうって 思った。
"強くなりたい"じゃなく、
"強くなろう"になった。
僕に出来る全力で、
守るべき宝物を両手でしっかり抱きしめていようと心に強く刻んだ。
「ねね!女の子と男の子どっちかな!?♪」
「僕は女の子がいいなぁ。"パパと結婚するー"って言われたい。」
「やーだ、そんな悪趣味な人私くらいだよ!それより名前は?♪」
「今ちゃっかり刃物刺された気分だったよ。」
「私も奏君も漢字一文字で読み三文字だから一緒にしたいね♪」
「じゃあ女の子なら?瞳とか?」
「ありきたりだね。」
「・・・全国の瞳さんに土下座しなくちゃいけないよそのセリフ。男の子なら・・要(カナメ)??」
「奏君とかぶるから嫌。てかワカメみたいで嫌。」
「だから全国の要君が泣いちゃうってば!」
「そのくらいで泣く奴は男のモグリよ!!」
「ぇえ!?」
幸せに溢れた会話が、当たり前のように僕らを取り巻いていた。
・・・だけど神様は確かに存在していて、
幸せが一カ所に留まることをあまり好まない。
何故なら人は生きているからだ。
なんだっていつだって循環しながら歴史は刻まれる。
そして与えられた試練を乗り越えた者がまた幸せを掴む。
「―――――――――・・・大変・・・危険な状態です。」
最初のコメントを投稿しよう!