*01..空と雲の出逢い方*

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「目の・・前って、壁?」 「うん、塀の中。俺が居るとこが学院の敷地内!」 ・・・って、 だいぶ前から塀は続いてましたけど。 え、全部? 「・・・えっ、マジで!?」 「マジマジ!あ!中入る!?も少し進んだら"開かずの扉"があんねん!開けたるからそこ行って待ってて!」 「え、ちょっ・・・」 勝手に話を進めるそいつは、俺の返事を待たずに姿を消した。 ・・・よくわからんが・・・ 『あ・・・開かないから"開かずの扉"なんじゃないのか?』 小さな疑問を抱きつつ、言われた通り足を進めると本当に扉があった。 あまり人通りの無い場所で鉄の扉は古錆びていた。 もうずっと使われていなかったようにも思える程、葉に覆われ赤茶けている。 扉そのものも古くからあるだろう。 随分昔に付けられたものかもしれない。 ・・・あからさまに"開かずの扉"っぽい。 ―ガチャンッ・・・ ・・・・・・え。 ―ギィィッ・・・・ 「よいっ・・しょ!っと、お待たへー♪入り♪」 「自宅か。」 「え。」 ・・・しまった。 ついうっかりツッコんでしまった。 初対面なのに。 「あ、いや・・・つか"開かずの扉"だっけ?開くんだ?」 「退職した管理のおじぃに、内緒で鍵譲り受けてん♪世界にひとつしかないねんで!俺、おじぃが初めて認めた男♪」 「へぇ。」 「まぁ決め手は幻のAVやな!」 「買収じゃねーか。」 「え。」 ・・・俺の馬鹿っ! つーか癖ってこえー!! 「あ、いや・・・すんません。」 相手の奴も相当馴れ馴れしいが、俺のもだいぶ馴れ馴れしい。 失礼極まりねーよな。 俺が顔を背けながら気まずそうにしていたその時。 「ぶっ!あっははは!!」 突然そいつが大口開けて笑い出した。 いきなりなんだ。 「えぇなぁあんちゃん!♪俺そゆのめっちゃ好き!!♪」 「はぁ・・・。」 要らなく好感度がアップしてしまった。
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