その1

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電車のボックスシート(2人掛けの席が向かい合っている)で、 隣に座ったオヤジが激しくふんぞり返って股を広げきっていたので、 わたし「狭いんですけど」と言ったら、 オヤジ「しょうがないだろう!これ以上どうやってよけるんだ?」 わたし「どうやっても何も、他の人はきちんと座れてるじゃないですか」 オヤジ「女の癖にうるさい!」 わたし「女の癖にって、あなただって女から産まれてきたんじゃないんですか?」 オヤジ「屁理屈を言うな!大体、それが目上の者に対する態度か!」 わたし「目上と年上は違うと思うんですけど。バカでも死にさえしなけりゃ年はとれますから」 オヤジ「目上も年上も同じだ!年上の言うことは黙って聞け!」 その時、向かい側に座ってた初老の男性が、 「じゃあ俺の言うことなら黙って聞くんだな?」 と一言。 オヤジは返す言葉がなかったらしく、席を立って、 次の駅で降りてしまいました。
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