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宵の口。真実の咆哮。
逃げ続けて、何日目になるだろうか。
女のところを転々とし、すっかり精神も擦り切れてしまった。
嗚呼、どうして俺がこんな目に。
全て、
スベテ、
"アノ戦争ノセイダ"
むらと怒りが沸き起こる。
そうだ、あれさえなければ商売も順調で、幸せが手に入ったはずなんだ。
なのに、あれが、
"あれのせいで、"
男は顔をあげた。
だらりと垂れ下がった身体は鉛のごとき重さで、決して床から離れようとしない。
くそ、
思い切り舌打ちをした。
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