解ってた。裏切られたんだ、って。

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「ええ、そうよ。あの子は、わたくしのことをよく知りぬいているもの。わたくしの気に入りそうな客は、彼の気に入る客。そうやって、わたくしの気に入りそうな客だけを選びだし、わたくしの前へと通す」 女が、豪華な椅子に気怠げに凭れかかる。 シャリン、 髪飾りが揺れた。 「さぁ、貴女は何を望むの? 富? 名声? それとも――、」 膝に置いた手を、ぐっと握った。 身を乗り出すようにして、アタシは言った。 腹の底から、呪われてしまえ、と熱い熱い憎しみの言葉を。 「アタシの……アタシのことを売った男――、彼を探してくださいまし」
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