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ピンポーン!
「何だこんな朝早くに。まだ9時前だぞ?」
ピンポン
ピンポーン!!
「うるさいなぁ!」
この狭いアパートに帰ってきたのは朝の四時。
昨日の土曜の夜は同僚と遅くまでハシゴして
今日は一日中寝て過ごすつもりだった俺は
シーツやら布団やらに複雑に巻き込んだシャツを
力ずくで引き抜き不機嫌そうに玄関へ向かった。
「なんですかぁ?」
すると妙に乾いた高い声で
「宅配便デース」
ドアを開けると銀色のピタッとした服を着た
妙に細い男が微笑みながら立っていた。
一瞬身の危険を感じたが奴は勝手にしゃべり始めた。
「エット怪しいモノではアリマセン。
アナタノお孫さんカラ頼マレテやってキマシタ。」
「はぁ?俺は独身だって!」
「ハイ。未来のお孫さんカラの依頼です。
私は未来宅配便のモノなのです。
信じてイタダカナクて結構です。
私は届けさえすればそれでイイノデスカラ。」
聞き取りにくい声だしなんだか面倒くさいな。
「判ったから早く帰れよ!」
「判ってイタダケレバ結構です。
ではこの小包をドウゾ。
私はDNAをお届け印として頂く事にナッテマス。」
「え~?!皮膚をはいだりするの嫌だぞ!」
「大丈夫デス。ほんのちょっとチクッとするだけです。
ちょっと失礼して・・・」
そう言って大切に大切に守ってきた髪の毛の最後の一本を
迷わず引き抜いて煙のように跡形もなく消えていった。。。
・・・・ちょっとまて~!!
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