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私が中学に上がった時、父と母はアフリカに飛び立った。
父の会社の事業拡大の為にアフリカのどこかに新たに支社を設立するらしい、母はその付き添いとしてついていった。
母と父は仲が良かった、正直気持ち悪いほどに、だから母が父についていったのは当たり前の事だ、母は寂しいのが嫌だったんだろう、そう思っていた。
でも、父親も母親も居ない家に居る私も寂しかったんだ。
中学に上がる前から父と母はよく仕事で家を空けていた、だから家族で出掛けることなんてあまりなかったし、たまに出掛ける予定があっても仕事のせいで無くなってしまったりした、小さい頃の私はそのたんびに、父と母を「嘘つき!大嫌い!」と罵った、父と母は困った顔で「ごめんね」と頭を撫でた。
いつからだったか覚えていないけど、その嘘に慣れた私は父と母に文句を言わず「行ってらっしゃい」と言えるようになった、すると父と母は、今度は寂しそうな顔で「ごめんね」と頭を撫でた。
その影響からか私は嘘を言うのも、嘘を言われるのも大嫌いになった。
でもそんな私でも大好きな嘘がひとつだけある、それは…
「サンタクロースは本当に居るんだぞ」
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