SICK 1

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そのまぶしい笑顔に完全に目が覚めると、アタシは周囲を見渡した 「さきちゃん・・・・でしたよね?俺の名前わかります??」 そんなアタシの様子にも構わず話しかけてくる ・・・・さきちゃんって・・・・ 妹がアタシのことを「さきちゃん」と呼ぶからだろうか、明らかに年下の彼はアタシをあっさりとちゃん付けで呼んだ 「ごめんなさい、あみから聞いてない」 名前だけではない、同じ大学にいるってことすら聞いてない いや、聞いたのかな? アタシが覚えていないだけなのかもしれない 「超興味ないって感じっすか」 興味がないっていうわけじゃないけれど・・・・ そう言われると気にしたこともなかったというか・・・・ 「ごめんなさい」 「や、謝ることじゃないけどね」 「同じ大学にいるってことも聞いてなくて」 正直にいうと、彼は一瞬眉をひそめたけど、すぐに笑い声に変わった 「あはは、ちょっと傷つくね」 「ごめんなさい」 「いや、だから、謝るほどのことじゃないんで」 爽やかな風が吹き抜けるように話す人だな 大学内でこうやって人と話すのはなんだか久しぶりかも ふとそんな風に考えていると 「加賀見とうま、1回生、学部が違うから会うこともないけどね」 彼の声に意識を引き戻されて、握手を求めるように右手を差し出された .
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