SICK 2

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夏真っ盛りだったっけ まこと達がそれぞれの彼女をつれて海に行くからと言って、急に呼び出されて行った日があった 海に入るのが苦手なアタシはビキニにパーカーを羽織ってもっぱら買い出し係でビーチをうろうろしていた 何度日焼け止めを塗りなおしても不安なほど肌にあたる直射日光がこげるように痛くて、人の多さにも若干嫌気がさして、大いにため息をついてうつむいて歩いていた 「さきちゃん!!」 片手の袋にジュースをたくさん入れて、もう片方の手でジュースを持ってそのストローをすすりながら人の波をすり抜けていると知った声に突然声をかけられて・・・・ 「あみ」 ビーチパラソルの下でこっちを見上げている顔は高校生の妹だった 「さきちゃんも海来てたの?」 「うん」 アタシはあみの肩に手を回しておなじようにこっちを見上げている男性に視線を向けた 察したようにあみが言う 「ああ、彼氏、さきちゃんも彼氏と一緒?」 「うん、二人きりじゃないけどね」 「そう」 あみに馴れ馴れしく手をまわしてこちらを見る目が痛くて居心地が悪かった 気に食わないような、それでいて熱っぽいような、得体の知れない瞳の奥 無遠慮にアタシのことを見続ける目を何度も抗議するようにチラチラと見たけれど、それは何の効果も及ぼさなかった 「もう、行かなきゃ」 アタシはそういうと、身を翻す 胸のあたりまでのびた淡く茶色に染めた髪を熱風が巻き上げた 潮で少しべたついていたけど、パーマをあてた毛先はふわりと軽くて・・・・ 重い気持ちを少しでも軽くしてくれたら、ってそんな気持ちになった なんとなく気になって再びビーチパラソルを振り返って見る あみはもううつぶせに寝転がっていたけど、その横に座る男性がこっちをじーっと見ていてアタシはあわてて視線を元に戻して逃げるように足を速めた .
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