第23話『隣の席は変な奴』

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――――――――――――――― 給食のときにそれは起きた… "ガヤガヤ…" 「給食係から皆さんに報告ですが、今日、田中さんが風邪で欠席のためデザートのティラミスが一つ余りました。欲しい人は手をあげて下さい。」 "おい!ティラミスが余ったってよ!!俺貰おうかな…" "ばか野郎!ジャンケンになるに決まってんだろ!そんなことしてる暇があったら早く食ってドッジボール行くぞ!!" "ちεちん!!おσぱい!" "うωこ!!" ※小学生ってこんな感じかな? 「……………。」 「ねぇ、ねぇ?太田くんは貰いにいくんでしょ?」 隣の席の関口さんが太田に聞いた 「…うん。たとえジャンケンになったとしてもね…。」 「…そうだよね…」 太田は手を合わせ、目を閉じると小さな声で囁いた 「…今日、風邪で休んだ田中さんとウイルスに感謝…。頂きます。」 「…………。」 ――― "ザワザワ…" "おいおい!太田と小谷がティラミスをかけてジャンケンするらしいぞ!!" "どっちが勝つんだ…" 「…ティラミスを貰いに来たのは僕と太田くんの二人だけか…」 "ザワザワ…" 「……ずいぶんとギャラリーが増えちまったな…」 「…そうだね、太田くん。彼らは君の負ける姿を見にきたのかな。言っておくが僕は毎日ジャンケンの練習をしている。ジョギング、腕立て、腹筋、背筋…。ここ数年一度も欠かしたことはない…。この前、SASΟKEのファイナルステージまでいった僕に素人の君が勝てるかな?」 「…ご託はいい…。僕は負けないよ…。こっちは風邪で休んだ田中さんの想いも背負ってるんだ…」 「……ふっ…強気だね…」 「……ティラミス…取ります…」 "…ごくり…" 「…あっ…そうだ…。太田くん…僕はチョキを出すよ…」 "ヒュー…(風の音)" 「……………。」 まさか… これからチョキを出そうとしている人間が"チョキを出す"なんて言うはずが… "ニヤリ…" 落ち着け… 動揺したら相手の思う壺だ…
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