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「……そんな…。チョキを出すって言ったじゃないかっ!!」
「…そのまま出すわけないだろ…。僕がチョキを出すと言ったら君はグーを出そうとするに決まってる。だから僕はパーを出したのさ。つまり裏を読んだってこと…。」
「…嘘だ!嘘だ!!」
「…じゃあティラミスは頂くよ。…うわっ!おいしぃ~!とろけるぅ~!!半分だけ食べて後は犬にあげよう!」
「…………。」
もう信じない…
人なんてもう信じない…
ーーーーーーーーーーーーーーー
「…あの日から僕は人を信じられなくなった…。何もかもを疑うようになったんだ。」
「…………。」
なんだこいつ!!
「…た…たかがジャンケンじゃないか…。それで人を信じられなくなったなんて…」
「…ムカ…💢」
"バサァッ…"
「…あぁ~っ!金羅頭くんの制服にポテチ全部ぶちまけちゃったぁ~!!ごめ~ん!…わぁぁ~!そして拭こうと思ったら逆に油が染みて制服がもっと汚れちゃったぁ~!」
「…………💢」
露骨に嫌がらせするな…
こいつ…
……ん!
「……うっ…苦しい……!!!」
「……おい…!どうしたんだ太田くん!!」
太田はいきなりお腹を押さえると廊下に倒れた
「…大丈夫か!?」
「……僕の中の"魔物"が暴れだしたんだ…はぁ…はぁ…」
「…魔物?」
「……あぁ…」
「…………?」
「……これ"大"の方だ…"大"の方だぁぁ~!!!」
「…………。」
…もう勝手にやってろ…
俺は振り返ると何事もなかったかのように太田から離れていった
ーーー
(金羅頭家、夕食…)
「今日もカレーかよ…」
「…文句言わないで食べなさいよ、幾男!!お母さん一生懸命レトルト温めたんだから!」
「…はいはい…パクッ…」
「…あれ?うまく口に入らない…」
「…マイコ!鼻にスプーンを持っていっても口に入るわけないでしょ!」
「…そっかぁ!何だか穴がいっぱいあってよく分かんないや…」
「……パクパク………。」
「……パクパク………。」
いつものことだから家族はいちいち姉貴に突っ込みを入れたりはしない
「…遅いわね、お父さん…」
「…あぁ…。」
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