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「その制服…。へぇ~…。太田くん、フランソワーナ高校に通ってるんだ…。」
「…何しに来たんだよ?」
「…何って…。決まってるじゃないか。ティラミスを貰いに来たんだよ…」
「………。」
太田と小谷…
高校生のくせに小学校の給食のジャンケンで再会するなんて…
なんて奴らだ!!
「太田くんは何でここにいるんだい?あっ!!まさかティラミスのジャンケンに参加するつもりじゃ?はははっ!!高校生にもなって…。あの時、俺に負けたのがよっぽど悔しかったんだな…。」
「…………。」
お前も参加する気だろうが…
「言っておくが俺はあの時より強いよ…。マッソルティー高校でさらに筋肉を鍛えたからね…。」
そう言えばマッソルティー高校は筋肉を鍛えあげる学校で有名だと聞いたことがある…
学力よりも筋力を大事にしていて筋力のない生徒はすぐに退学…
しかも、教室にイスがひとつも置かれていないために授業は全て空気イスで聞かなければならないという厳しい学校…
しかし、その厳しさと引き換えに三年間で上半身、下半身ともにバランスのとれた"使える筋肉"を育てることができると言う…
「………。」
でも、それとジャンケンに一体、何の関係が…
「…ふ…ふふふふ…」
「……お、太田くん!何がおかしい!!」
「…僕だって何も成長なしに生きてきたわけじゃないさ…。あの日から食べては寝て、食べては寝てを繰り返して精神を鍛えてきた。悪いが、あの時の僕だと思わない方がいいよ…。」
…ただダラダラ過ごしてきただけじゃねぇかよ!
「……くっ💦…ごくり…」
…で、何で小谷は焦ってんだよ!
「…まぁ、どちらが強いかなんて戦ってみれば分かることさ…。さぁ、参加しようか、太田くん…」
「…そうだね。」
―――
"ヒュ~…(風の音)"
「…………。」
参加者は太田と小谷、それから男の子が2人の計4人か…
小学生は「何でこの人達出るの?」って顔してるが…
「…金羅頭くん、掛け声を頼む!」
「…お、おう…。じゃあ…いくよ。ジャンケン…」
「待って!」
すると突然、小谷が俺の掛け声を止めた
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