オオカミ少年

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 ある日の午後。 「うわー、大変だ。オオカミがきたぞ」  こう叫びながら、少年が村に駆けこんできた。 「なんだって!」  村の人々は驚き、急いで鎌や鍬を持ちだし、それぞれの牧場へと向かった。  しばらくすると、人々はやれやれといったようすで、村に戻ってきた。家畜は無事だった。それ以前に、オオカミなんてどこにもいなかった。つまり、あの少年にまんまと騙されたのである。 「はっはっは。やられたな」 「ほんとほんと」 「あれ、あの子は?」 「どうでもいいじゃねえか。あっはっは」
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