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「おい、並ぼうぜ」
どこからか声が聞こえた。ふと見ると、近くに長い行列ができている。
「なにかイベントでもあるのかな」
少女は歩いて、列の先頭に行ってみた。
すると、ネコ耳にメイド服姿の女性が、
「もらってニャン」
「ありがとニャン」
などと言いながら笑顔を振りまき、ポケットティッシュを配っている。それをうれしそうに、主に男性がもらっていた。
これだ! 少女の脳裏に、マッチを売る方法が浮かんだ。
翌日。少女は再びマッチを売りにきた。ネコ耳にメイド服という昨日の女性と同じ格好で。あのあと、なけなしのお金を使って買ったのだ。
すうーっと少女は息を吸う。
「マッチ、マッチは……」
最後まで言葉がつづかない。慣れないことを言うのは、やはり恥ずかしい。でも、やらないと。もうあとへは引けないんだ。少女は決意した。
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