現代風マッチ売りの少女

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「マッチ、マッチはいりませんかニャー?」  大きな声が繁華街を通り抜けた。  人々の足がとまり、次の瞬間、彼女のもとにいっせいに駆け寄った。 「萌えー!」 「きゃー、カワイイー!」  感喜のハーモニーと黄色い声が次々に響く。  白昼夢のようなできごとだった。あれだけ売れなかったマッチが飛ぶように売れ、わずか数分で完売したのだ。  ここは秋葉原。こんなことが起きても不思議ではない。
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