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「ごめんな」彼氏がつぶやいた。
彼氏の方を見ると彼氏は泣いていた。
彼氏の泣いてる姿なんて初めて見る。
いつもニコニコして弱音も吐かない彼氏の初めて見せた涙だった。
「ごめんな。一人で病院に行かせてごめんな。きつかったやろ。苦しかったやろ。」そう言って私の手を強く握ってくれた。
そんな彼氏に私は
「バーカ。あんたなんかおらんくても私は一人で生きていけるんや。」
精一杯の強がりだった。本当は抱き締めて欲しかった。彼氏の胸で泣きたかった。でもつまらない意地が邪魔をした。
「別れよう」
私の顔の化粧は涙と鼻水でグチャグチャになった。
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