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俺は少女を追いかけるように走り出した。
転がる勢いは徐々に弱まり間もなく道路に投げ出されたように止まった。
「おい!大丈夫か?」
近づいて肩を叩いて声をかけた。しかし少女はピクリとも動かない。
こんな時は救急車!
いやそれより……。
「人工呼吸……。」
ちょ、こんな時に何考えてんだ俺は!
でも救急車が来る前にやっていた方が生存率が高くなると保険の授業でやっていたし。
俺は覚悟して少女に顔を近づけた。
「脈か心音を確認してからお願いします。」
その瞬間少女はパチッと目を覚まして俺に言ってきた。
慌てて少女から離れると少女は服についた土を払いながら立ち上がった。
「ごめん!疚しい気持ちがあってやった訳じゃ……!」
俺は咄嗟に謝ると少女は不思議そうな顔で言った。
「何故謝るんですか?あなたは私を助けようとしてくれた。あなたが謝罪する事は可笑しいですよ。」
俺はその言葉に呆然としたが、俺がその次に言う言葉は決まっていた。
「んじゃ……ありがとう。」
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