2day

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そう、俺が必死で自転車を漕いでいるのは昨日あった不思議な少女にもう一度会って見たいと言う興味本意と言うやつだ。 会える確証なんて皆無。 でも、会って見たくなったのだ。 だが、まだ肌寒い季節。 で悴んだ手を片手はハンドル、片手はポケットに手を入れて温めて、やっぱ来なければ良かったと少し後悔している。 あそこの角を曲がると昨日の河原だ。 自転車を近くのコンビニに止めて、歩いて河原に向かうと案の定、少女はいない。 時間と揚力を使い無駄に自転車を漕いだ俺はどんだけ暇なんだよと、自分にツッコミを入れたくなったが、あまりの切なさに絶句し、曇り夜空の下で河原の階段に座った。 にしても薄着にしすぎたか。 カイロでも持って来れば良かった。 そんな事を考えて両手に息を吹き掛けた。
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