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時間が一時間は過ぎただろうか。
そろそろ悴んだ手と凍えた体が限界だ。
昨日の事はもう忘れよう。
階段から立ち上がり自転車を置いたコンビニまで行くと三人の不良が屯していた。
離れているが不良達はあろう事か俺の自転車を囲みながら座っている。
俺と同年代に見えるが、はっきりいって結構怖い。
さてどうするか。
離れて様子を確認していると不良の一人が俺の自転車に跨がったのだ。
おい止めろ!まだ修理したばかりだぞ!
そわそわしながら住宅地の角で伺うと、俺は思い出してしまった。
鍵掛けてない。
緊急事態は想像より早く訪れる。
不良達が三ケツで自転車を乗り始めた。
非常にまずい。
「おい、それは俺のチャリだぞ!」
気が付けば不良達に叫んでいた。
「やべ、逃げるぞ。」
焦って不良達は俺の自転車に乗ったまま逃げようとしている。
だが三ケツなら俺の足だって追い付……!?
「バーカ!」
コンビニの先は下り坂になっている。
加速する自転車は俺からどんどん遠ざかって行く。
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