4人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
駄目だ俺の足じゃ追い付けない!
諦めかけていた時だった。
「……!?」
俺の横にいつの間にか昨日の少女が立っていたのだ。
少女は無言のまま俺を見た後、急に坂を走り出した。
「うぁあ!」
少女が走ると突風に近い風が辺りに流れ始めたのだ。
余りに激しく、余りに優しく吹く風は少女の周りから吹いている。
いや、肉眼で確認出来る程少女を取り囲む様に〝回っている〟物は一体何だ?
説明は出来ないエネルギーが彼女の周り空間で回っているのだ。
その空間の為だろうか少女はとてつもなく早い。
不良達に数秒で追い付く程の早さで射程圏内入ると、一番後ろに乗っている不良の一人に触った。
「えっ?」
風が不良の一人に集まっていくのがはっきりと分かる。
その瞬間不良の1人は重力に逆らう様に回ったのだ。
それは乗っている二人の不良も捲き込んで自転車ごと転がってゆく。
「あ……。」
その不良達は数十メートルほど転がると地面にぐったりして気絶した。
最初のコメントを投稿しよう!