little 5

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一瞬にして、体が鉛のように重くなった。 闇の中を、人のような形をした闇が動く。 錯覚だっ しっかりしろっ紗奈っ 紗奈は、呼吸を荒くしながら心の中で叫んだ。 ギュッと目をつぶる。 消えろっ消えろっ消えろっ 錯覚だっ 誰もいないっ 私ひとりだっ ……じゃなかった… 紗奈は自分のお腹に手を当てた。 ひとりじゃない…。 …何を言ってるんだ…。 バカだ…私…。 私は…ずっと前から… ひとりなんかじゃなかったんだ…
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