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「…ハル…元気なかったね…。」
「…うん。」
ほろ酔いのハルは、明日の朝が早いからと、早々に帰って行った。
「…たぶん…」
「たぶん?」
「うん…」
口ごもるアヤカに、不思議そうな顔を浮かべた。
「…ハルのお袋さんの事かな。」
「…どうゆう意味…?」
「ハルのお袋さんとうちの母親は、同級生で…」
「それで、二人は仲いいんだ。」
「…うん…でも、それだけじゃなくて…しばらくハルはうちにいたんだ。」
「…家出?」
「あー…と…、ハルのお袋さんの育児放棄。」
「…え…」
「私も小学生でよく分からなかったんだけど…うちの母さんが、ハルのお袋さんに頼まれて、うちで面倒みてたらしい。…このままだと、虐待しかねないって…」
紗奈は眉を寄せた。
「…虐待って…」
「あーでも、されてない。そうなる前に、母さんに頼ったんだ。
ハルはたぶん、拓兄や龍之介の事…マジで兄ちゃんみたいに慕ってた。特に龍之介のことは、父ちゃんとでも思ってたのかも…」
「…そっか…。」
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