little 1

2/33
前へ
/145ページ
次へ
「おめでとー!!」 カーン…カーン…カーン… 青く澄んだ青空に、鐘の音が鳴り響く。 手から放り出される、白い粒が、祝福される二人の上に降り注いでいる。 シャッター音と拍手、歓喜の声が、包んでいた。 純白のドレスに身を包んだ今日の主役は、満天の笑顔で教会から伸びる階段をゆっくり降りていた。 「おめでとー!!イチカー!」 黒のセクシーなドレスに身を包んだアヤカが、ウェディングドレスを着こなすイチカに、ライスシャワーを祝福と共に放った。 「イチカーっおめでとーっ!」 涙目の紗奈が、ライスシャワーをイチカの足元に優しく投げる。 「…ありがと。紗奈。」 目尻を抑えて、イチカはまた前を向いて階段を下り始めた。 「綺麗だねー、イチカ…」 「さすがだね…。クラスのアイドルだっただけある…。」 黒色のミニワンピを来た紗奈は、パチパチと拍手を続けていた。 イチカの旦那様になる人は、職場の上司。 付き合って一年。 隣は、ハルではない。
/145ページ

最初のコメントを投稿しよう!

971人が本棚に入れています
本棚に追加