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「おめでとー!!」
カーン…カーン…カーン…
青く澄んだ青空に、鐘の音が鳴り響く。
手から放り出される、白い粒が、祝福される二人の上に降り注いでいる。
シャッター音と拍手、歓喜の声が、包んでいた。
純白のドレスに身を包んだ今日の主役は、満天の笑顔で教会から伸びる階段をゆっくり降りていた。
「おめでとー!!イチカー!」
黒のセクシーなドレスに身を包んだアヤカが、ウェディングドレスを着こなすイチカに、ライスシャワーを祝福と共に放った。
「イチカーっおめでとーっ!」
涙目の紗奈が、ライスシャワーをイチカの足元に優しく投げる。
「…ありがと。紗奈。」
目尻を抑えて、イチカはまた前を向いて階段を下り始めた。
「綺麗だねー、イチカ…」
「さすがだね…。クラスのアイドルだっただけある…。」
黒色のミニワンピを来た紗奈は、パチパチと拍手を続けていた。
イチカの旦那様になる人は、職場の上司。
付き合って一年。
隣は、ハルではない。
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