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ハルは一気にアパートの階段を駆け下り、そのまま歩き出した。
もぅ…
勘弁してくれ…
ハルは、自分がアヤカの家に預けられた時のことを思い出していた。
『ごめんなさい…ミカコ…。』
震えながら、ハルの横に立つ母を見ていた。
小学二年生だったハルは、分かっているような分かっていないような…
そんな感じだった。
『…分かった。でも一つだけ約束して。』
アヤカの母、ミカコがハルの母、サチの手を取る。
『絶対…迎えに来てあげて。』
即答しない母親は…
ハルと繋いでいた手を離した。
きっと…
僕は…いらないんだ…
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