little 1

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『ハルっ?何度も電話したんだよ?』 「…あぁ。わりぃ。」 携帯からは、イチカの少しピリピリといた声。 『どうしたの?何かあった?』 「…いや…なんも。」 『…パパの事…?』 正直に言うと、イチカの親父さんの事は、少し頭から飛んでいた。 というより、最低かもしれないが…今は考えるのが面倒くさかった。 「…いや。そうじゃない…。」 『…じゃあ、何?』 「だから、なんでも…」 『いつもそう。ハルは、頼ってくれないっ。何かあっても、何も話してくれないっ。』 ハルは大きなため息をついて、前髪をかきあげた。 『…もぅ…面倒くさくなった…?』 「…時間…ないから…切るぞ。」 耳から携帯を離す瞬間に、イチカが鼻をすする音が聞こえた。 俺は最低だ…。 ハルは、心配そうに佇む紗奈に手を上げて、「…じゃあな。」と歩き出した。
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