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「…紗奈。」
「…んっ…」
肩を揺らされた感覚に驚いて、紗奈は無理やりまぶたを開けた。
「…あれ…?」
「…んっ…」
紗奈は自分の肩の重みに驚いて、それをみるとハルが欠伸をしながら頭を上げた。
「…やべ…寝てた。」
「ハル。」
紗奈とハルが顔を上げると、眉間に皺を寄せまくるイチカと、少々呆れ顔の龍之介。
「…せんせ…えっ?あれ?なんで?」
「お前なぁ…」
龍之介は紗奈の前にしゃがみ込むと、
「パニクって電話してきただろうが。」
「あっ…そうかも…。」
龍之介は溜め息をつきながら立ち上がると、ハルをチラッと見て目を細めた。
「あ…あぁ……わりぃ…。」
ハルは、紗奈の肩で寝ていた事に気付き、バツが悪そうに龍之介に謝った。
「…ハル。」
「…イチカ…。」
今にも泣きそうな顔で、イチカはハルに睨みつけていた。
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