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「…大丈夫かな…。あの二人…。」
車の窓ガラスに叩きつけられる雨を眺めながら、紗奈は呟いた。
「二人の問題だ。…心配しなくいい。」
赤信号で止まった車内には、ウィンカーの規則正しい音とスピーカーから聞こえる洋楽の歌が微かに聞こえていた。
ハンドルに片手を置いたまま、龍之介は紗奈の頭をポンポンと撫でた。
「…ハルの母親の事は…ハルが乗り越えなきゃいけないんだ。…どうするべきなのか…どうするのか…。自分で決めるしかない。」
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