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何故か…
聞いてしまった。
黙る洋子の様子に、紗奈は話題を変えようとしたが、
「あっそうじゃなくて…」
『有罪で、実刑判決。』
「え…」
『…六年の服役。』
六年…。
…出てくる…。
『…大丈夫?』
「…え?もちろん。全然っ平気!」
それからしばらくたわいもない会話をしたあと、電話は切られた。
電話を切ったあと、部屋の静けさに驚き、紗奈は慌ててテレビをつけた。
…大丈夫…。
子供じゃあるまいし…
お化けが出るわけじゃあるまいし…
ガタガタッ!
「わっ!!」
紗奈は突然の音に、肩を縮めた。
「あ…なんだ。…風。」
紗奈はまだ少し、ガタガタ揺れる窓を睨みながら、クッションを抱えてテレビに集中しようと、ソファに腰を下ろした。
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